2008.3

いい加減つりに行くか
今日はダム湖に出掛けた。午後の日差しが暖かくなり10gスプーンが投げたくて来た。選んだポイントはここだ。でも泥に埋まってた鯉やフナ、ハヤなどの他にブラックバスやブルーギルが棲む場所なんだってさ。なんか嫌な予感すると思いつつガレ場を下りた。
それで釣れたのか?ってそりゃもちろん毎度のことながら釣れないよ。
ツインクルスプーン9gの水面飛ばしで40センチほどのブラックバスが深場から急浮上し水面を割った。バスの元気の良さに春を感じた。

僕のサクラマスとの関わり方
以前、僕がサクラマス釣に強烈な拘りを持っていた頃のことをお話したいと思う。
当時の自宅から車で20分ほどいった所にその川はあった。サクラマスよりは鯉釣が似合うフィールド。なんの変哲もない砂底の川にその魚達は遡上してくる。
唯一のメガストラクチャーは堰、その下流が僕のフィールド無限に海までポイントは広がっていた。
全て遡上魚が足止めを食らう。雪解け水の流れ去る頃、シーズンが始まる。

18歳で車の免許を取り、19歳の時この釣に目覚め、23歳にして始めてのサクラを手にした。
情報も実績も何も無い時代。北陸の川とはここは違うミノーでは釣れないとまで先輩釣師に言われた。僅か数名の常連と毎年その時期になると再会する。「今年も一本欲しい」が合言葉だった。

外道も多くなかなか実を結ばない不毛な時代が続いた。釣具屋で作戦を話し合い、新製品を入れてもらい何度も何度もトライ&エラーの繰り返し。
どうして僕はこんなに釣れない魚にのめり込んだのか今でもわからない。
ただ始めてその釣場に行ったときに投網で取れた「本物」を見てしまったことが僕のエネルギーだった。
あの魚をこの場所でこのルアーを使って釣りたい!その気持ちが全てのベクトルを決めた。
何度も何度も釣れない日々を足掻き、嘆き、また明日も行くと決めて釣り場を後にした。

僕の釣れる釣れないの読みはこのサクラマスに学んだ。捕る為の道具に妥協しない拘りはこの魚の出会いを大切にしたい気持ちから生まれた。ファイティングスタイルはこの魚との戦いで生まれた。
僕がポイントを開拓し続けたのも、この魚を釣りたい気持ちから。

仲間達は今でもその場所でサクラマスを夢見ている。
14年目のシーズン。14本キャッチした年を最後にその釣り場を後にした。
別に14という数字に意味はない。
大勢の釣り人が釣り場に立ち、場所取りのトラブルも起こり派閥が生まれ摩擦が生まれ。
雑誌やインターネットに載せられ、有名人まで見かけるようになりポイントはどこだ?と聞かれた。
最後に小さなサクラを一つ釣り、写真も撮らずにリリースすると僕はその川を後にした。
「来年は釣らないよ」
もう、うんざりだ、僕は誰も来ない場所で一人で釣ってるほうがいい。

Ambassadeur 2500C
名機 ABU Ambassadeur  2500C 1980年製 ハンドルはオリジナルではなくコーデルの赤。これは貰い物である。僕が最初に手に入れたのは80年代半ば銅のプレートが貼ってあった。
当時気に入ってた竿はロッドはUFMウエダのNEOと呼ばれたグラス・カーボンのコンポジット5.6ライトアクション。Mr.DONのスタンプヒッター5.6などそれにこの2500Cを装着してのバスタックル。丁度ツインティーズのスーパーグラブが大人気になる頃。フローティングラパラF11やスライダーワームなんかで野池のバス釣に夢中になっていた。
しかし使うルアーはどんどん小型になりどうしてもスピニングタックルが欲しくなって友人のカージナルC4と交換してしまった。そしてその後やはりベイトが欲しくなりAmbassadeur 5500Cを購入した。ウルトラマグⅡや521XLTや4600FLなど中型ばかり揃えていきスピナーベイトを投げまくっていた。
90年代バスを釣らなくなりAmbassadeur を使うことはほとんど無くなるのだが時々本流のヤマメ釣やダム湖のイワナにも使用していた。Ambassadeur 2500Cと1500C今はこのサイズが丁度いい。昔、ABUのリールは少々高かったけど一生使える道具だ。

カウントダウンの9
ラパラCD9です。シーディーナインです。説明は不必要なほど有名な全世界のルアーの代表選手。何が凄いのか?その答えは使って釣らなきゃわからない。
10年ほど前の事、友人N氏より初の東京湾ボートシーバスに誘われてルアーは?との問にN氏はラパラと答えた。じゃあ用意しておくということでCD9数本購入。中学生の頃に何度か買ったけど根掛かりで無くして数本しか残っていなかった。実に10年ぶりに買う。他にもバイブレーションや7センチクラスのルアーも用意していざ乗船。不慣れなラインシステムや硬く短いロッドでの釣り、出船前に船から練習キャスト!一投目はルアーウエイトが気に入らない、チェンジして二投目はCD9。上げ潮に任せてドリフトしながら「ここなんか釣れるの?」とN氏に話しかける。「ニゴイはいるよ」とN氏。じゃあボトムまで沈めるか・・ボトムを擦りリフト。その直後になんとヒット!74センチの立派なシーバスだった。
僕の江戸前鱸疑似餌釣はコイツで始まった。乗船代を払う前に釣ってしまうのは不思議な気持ちで少々面を食らった感じだった。その翌年黒部川にイワナを釣に行った帰りに立ち寄った富山のサーフ。砂利浜のサーフでCD9を投げた。カラーはSBここで人生初のヒラメ(ソゲ)を釣った。
以来何度釣ったのかわからない。僕は河口部の下潮が強い橋脚周りを狙うとき現在でもCD9を使う。ドリフト中の安定した姿勢はバルサならではのもの。インジェクションの樹脂成型プラグではこの釣は難しくなる。
激流のミノードリフト。信頼できるのはラパラCD9コイツだけだ。


スミスのパニッシュ70SP(サスペンド) 
このルアーでミノードリフトの釣りを覚えた。平成6年頃、前回話したダム湖で発見し新潟の魚野川本流で実釣を重ね、陸封型サクラマスや本流のニジマス、青森のカラフトマスに至るまで活躍したルアーである。サスペンドだから釣れたという確信を与えてくれたルアー。同モデルでフローティングもあったのでその使い分けでサスペンドのほうが釣りやすいことがわかり、後のシンキングルアーに使う意味を教えてくれた大切なルアーだ。この後同社スミスのウェービーを使いシンキングが有利である事、逆にフローティングの必要性に疑問を持ち始める切欠になる。今まさに渓流シンキングミノーブームであるが当時はどこの釣具屋にも使えるシンキングミノーは海用の物を除いて殆ど取扱っていない状況だった。
下の2色はアトラクター要素の強い色だがクリアな流れでサクラやカラフトに大変効く色。
なのに何故か何処でも売れ残る不思議なカラー今でもあるのだろうか?誰か教えて下さい。
この釣に自信を持ち始めた平成8年当時、友人に「どうしてスプーンじゃなくてシンキングミノーなの?」と聞かれ明確にこう答えた。
「森が壊れた日本の川はこの先どんどん枯れて行くんだよ、これからの川は渇水の釣りをしなければならない、スプーンは雪解けの水で水量、水勢があれば良いけど。その後は流速が遅くても比重の軽さで泳げるミノーが有利だしスプーン同様に流す釣、つまりドリフトするのにはシンキングミノーが良いのだ。」
12年経った今でもその理論にブレはない。

カウントダウンラパラ
シーバス釣りの定番CD7。もはや港湾部のゲームにはコレ無しでは語れない。小粒のルアーだけど90クラスのシーバスも釣れる。サクラマスやバスにももちろんいいしコチやボラ?マルタ?挙句の果てにはカモメまで釣ったもしくは釣れた実績が有る。
僕がコレを投げてる時は少々厳しい状況でどうしても釣りたい時か、数を釣りたいとき。
とにかく投げて巻く釣りにはコレ。ドリフト中心ならCD9かCD11のほうがいい。CD1からCD3にCD5それにCDLやFSなんていうのもあるがCD7が基本軸と考えて間違いないだろう。
7~8年前、東京湾に面した公園で釣りをしていた時のこと。
あるルアーマンに出会い情報交換をすると彼はシーバスは滅多に釣れないという。その時は活性が高く僕は既に4~5本キャッチしていた。もちろんCD7で。「どんなルアーで釣ってるのか?」と聞かれて「普通にラパラで・・」と答えた。すると彼は驚いた様子で「ラパラなんかで釣れるの?」と切り出す。
彼のボックスには最新のルアーが詰まっていた。そしてその底に錆びた針のCD7を見つけた。
随分と使われていない様子なので「それを投げてみな、そこの岩の脇、ジャークとかしたら駄目、そうそう普通に巻くんだ。」結果数投で答えは出た。

そう余計なことはしてはいけないのである。そのままで十分釣れるのだからアクションを加えたら作者に失礼なのだ。

ラウリ・ラパラの遺作
僕の釣りの中で昔も今も使い続けるルアーはただ一つ、シャドラップラパラ SR7&SR5である。80年代当時は1800円ほどする高価なルアーだった。
あの天才、ラウリ・ラパラ自身が開発したプラグと聞いている。
先のMFR3に続き大変よく釣れるルアーであり、狙える魚種は多い。日本のゲームフィッシュの中でフィッシュイーターである魚に対して全ての意味で万能であると僕は考えている。ジャパンスペシアルカラーを纏い様々なシチュエーションで活躍したルアー達。12歳の時に初めて手にして以来、未だに使い続けている。その理由はバランスがいいこと、チューニングの幅が広いこと、どんなリトリーブスピードでも釣れること。スナッグレス効果が高いことなどが挙げられるが、釣具もメソッドも時代と共に変化しているのにこのルアーだけは何も変わらない。全てのシャッドプラグのお手本であると言っても過言ではないと考えている。バスだけではなく、トラウト、シーバスなど魚種を選ばないのがラパラの特徴。ルアーとして優等生過ぎる感はあるが真直ぐ泳いでくれるコイツでなければストラクチャーの際、5センチのトレースコースを攻めることは出来ない。オートマチックにヒラを打ったりダートする様な最近の日本製ルアーでは本当の意味のストラクチャー打ちは出来ない。初心者にはそれでいいのかもしれないが、まずは真直ぐに泳ぐルアーを基本としてステップアップをして欲しいというのが僕の願いだ。

かわいい弾丸
写真は言わずと知れた小型プラグ ミニファットラップラパラ MFR3。
このルアーが販売されていたのは1984年頃からだったっと思う。

3cmで3.5gのシンキングクランクベイト?というジャンルのルアーであるが、その懐の深さは物凄く正直まだこのルアーの性能を使い切れていない。
小さいながらも飛距離は伸びるし、速やかに沈み 高速で巻いてもバランスを崩すことは皆無である。そしてルアーの誤った常識でさえ覆す潜在能力さえ備えている。
バスはもちろんトラウト、シーバスに効く。特にスクールしている小型のバスやスポーンシーズンの大型にもいい、ブラウントラウトもよく釣れたし、今ではストラクチャーのシーバス釣りでの最後の手段として登場させることが多い。
非常に残念なことに、最近釣具屋で、見付けることもなかなか難しいルアーのひとつになってしまった。
80年代バス釣がまだまだ発展途上の頃、関東地方の灌漑用溜池に一部のアングラー達の手によりバスが放流されそれが生産し20~30センチクラスのバスがちらほらと釣れていた。
大きなプラグではなかなか釣ることも難しいフィールドだったがコイツを使うとたちまち数釣りが出来るようになった。当時は6フィートのミディアムライトアクションのベイトロッドに10ポンドのライン、ABU アンバサダー2500Cでロングキャストして釣っていた。
ワームよりも釣れるイメージがあったし44センチのバスも仕留めた。
トラウトでは50センチ弱ではあるがブラウンを数匹、シーバスでは50~60センチ台を数多く釣った。 

僕の経験で言えば 大きなルアー=大きな魚 小さいルアー=小さな魚 とは考えていない。
小さなルアー=大きな魚 ということは良くあることだし。
小さければスローな釣りでも魚に見切られ難いとすら思う。

MFR3 コイツが発生させる強烈な波動は使った人なら知っているはずだ。
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(画像:先日仲間のじろう君から頂いた、1984年 MFR3 P)
1985年5月の良く晴れた午後。
僕は一人S沼に向った。
S沼は周囲一キロくらいの小さな野池、大小のワンドに葦、リリーパッド、オダに乱杭、そして流れ込みに桟橋と変化に富んだフィールドだった。
獣道のような踏み跡を辿るとほぼ池を一周出来る。
今日は葦原の横の岬に釣座を構えた。
タックルボックスを開けると今日のルアーを決めるとベイトキャスティングのマグネットブレーキを調節しながら色々なルアーを試す。
夕方、目の前で小魚がピョンピョンと跳ねるとガバッ!!ボコ!!と捕食音が響き、夕マズメが始まったのであるが、小魚の大きさはどう見ても3cmサイズ。
僕はラパラMFR3(ミニファットラップ)をラインの先に覚えたてのクリンチノットで結び、ボイルの進行方向へキャスト。

巻き始めると直にバイト。

ブラックバスだ!

無我夢中で掛かったバスを陸へ上げる。たかが23cmの小バスなのに、僕は興奮しすぎて、その後どうしたのか覚えていない、タックルボックスの底で静に出番を待っていたストリンガーに初めて魚をかけて水に放す。

興奮冷めやらぬまま、次のバスを狙うが呆気無くMFR3はオーバーハングした木の餌食になってしまう。フックが小さいから直に外れると思ってロッドを煽った。

次の瞬間、バチン。。とラインが切れて、静にMFR3は水面に落ち、沼の底に沈んで消えた。

初めての記念すべきルアーを失くすわけには行かない。
慌てて僕は水に飛び込み、腿くらいの水深を必死に探すが。
夕暮れになってもMFR3は見つかる事は無かった。

ビニールに水を張り、釣れたバスを入れると僕は家に初バスを持って帰った。
庭でバスを持ち笑ってる写真が今でも埼玉の実家にはある。

そうしてラパラは僕にバス釣りの入り口を開いてくれた。

黄金の6月1日
此処はとあるダムのバックウォーターである。何故か毎年6月になるとここで大物が釣れる。サクラマス・イワナ・銀鮭・ニジマス。何本仕留めたか覚えていないがとにかくここで大型の鱒が釣れる。釣り方はミノーのドリフト、14~13年前、ここでシンキングミノーの釣が生まれた。瀬の中のポイントにルアーを流し込むのだが、最初はフローティングミノーでやっていた。狙ったタナに届かないどうしても沈めたいからアップストリームでロングキャストして早巻きしてタナを稼ぎ自分の正面から下流をメンディングしながらダウンクロスして回収する釣り方をしていた。今考えてもこの釣り方では無駄が多い。そこで考えたのが沈むミノー つまりシンキングミノーだ。それを使い着水と同時に沈めナチュラルドリフトする。この時リールは巻かない。
これが良く釣れた。その後シーバスや他の魚種にも試してみたが良く釣れる。
この場所があったから僕の今の釣がある。
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by toyosikigijie | 2012-12-29 23:26
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