あの時の想い 2008.2

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画像は平成7年下北半島でのカラフトマス。産卵を控えた個体である。
この釣行でキャッチしたのは4尾と記憶している。
もちろん全てリリースした。

カラフトマスが強烈に釣りたくなったのが、平成6年の11月に知人から聞いたとある情報からだった。

北海道に居るのは知っていたが、河川では鮭鱒の禁漁に絡む。

標津川の解禁も無い頃、ある数本の河川でこの釣が可能なことを知ると強引にも釣行を翌年の7月と決めてしまった。

当時僕が住んでいた北関東からは片道800キロ。
釣り方も時期もわからない ただカラフトマスが泳ぐ川があることそこで釣が出来ること。

自分の全てをそこに投じた。

やがて地合は訪れ答えは出た。

写真を撮影したあと見事な背中の「その答え」はもとの流れに帰っていった。

自分が釣りたいならそこに向かうそれが釣である。
報われないこと多き釣行を繰り返すうちにイメージは崩れていく。

諦めずに日々トレーニングをしていく。

考えていた釣とはまったく違うフィールドがそこには待ち構えている。

さあ どう釣りますか?



しかし釣れない
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これほど人間の勝手な妄想が飛交う魚も珍しいのではないかと思う。

大昔はスプーンの転がし釣じゃないと釣れないだとか餌を食うとか食わないとか流心の底を狙えだとか・・・・ヒットルアーだとかヒットカラーだとか・・

昔、2尺ヤマメと誰かが呼びました。性格は確かにヤマメのまま図体だけでかい。

結論は3~400円のスプーンでも高価なミノーでもどちらでも釣れる。

そのポイントにいれば釣れるかもしれない魚。

そこに居ても疑似餌を食わない時もある。

皆さんが通常狙う時間は早朝が多い気がするが、朝夜が明ける前でも釣れるしもちろん日中でも釣れる。 

夕方もよくヒットするし夜中、深夜の遅い時間はPM11:45のヒットというのがある。

この魚の居場所は刻々と変化するのでそれを見逃さないことが近道だと、僕は思っている。

10年以上この釣をしてきたが最近はまったく釣らなくなってしまった。

釣り場で会う見慣れないアングラーにポイントはどこですか?と聞かれ僕はこう答えた。
「此処から海までと此処から産卵する沢まで全てポイントですよ」と。

早春の釣り
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僕は釣れても釣れなくても早春、木蓮の花咲く頃のヤマメ釣が好きだ。
5年ほど前、ある本流の3月上旬のことだった。
暇つぶしの冷やかし程度のつもりで某管理釣り場オーナーさんと釣行。
案の定北風冷たくライズはまったくみられない。

水面の釣りを諦めて午後4時を過ぎ14番のニンフでプールの流れ込みを叩いた。
綺麗に沈み込む流れにフライは入り押さえ込むアタリに軽く合わせた
ジンクリアの水面を割ったのは25センチほどの良型。

実は生まれて始めてヤマメを釣ったのはフライフィッシングで渓流デビューした19歳の時だった。
いい加減な僕のフライフィッシングにしては出来すぎだと思う。

5年前のシーズンオフに拘っていたのはシングルハンドのキャスティング。
毎日の様に遠投の練習ばかりしていた。

フルライン出る頃には自然とヤマメはビシバシ釣れる様になっていた。


七色ニヒカルサカナ
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たまには湖の釣も良し。中でもダム湖は結構好きである。

放流から時間の経った野生化レインボーや逃げ鱒、落ち鱒はかなりの好敵手である。

こいつは7回連続ジャンプを披露してくれた。

多くの事を虹鱒から学んだ気がする。

本流でもよく登場したが、ダム育ちが一番の僕好み。



本流のスプーン
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最近はトラウトのルアー釣っていうとミノーというのが定番のようだが、以前はスプーンで釣るのが当たり前であり本流ルアーの基本とまで言われた。

スプーンというルアーは大物狙いの太い糸にも関わらず遥か遠くのポイントに一直線に飛んでいき速やかにボトムを捉えユラユラと艶かしく揺らぎ輝く事で魚を誘う。

ルアーの意、誘惑とはこのスプーンに当てはまる言葉であると僕は感じている。
一般に縦長の物と幅広の物、それにカーブの付け方で特性が変化する。ドリフトの流し釣ならば幅広、肉厚が使いやすい。

逆にリトリーブ中心ならば縦長のキレのあるアクションが使い易いと思う。
時代の流れは恐ろしい物で今や釣具屋に並ぶスプーンといえば超小型の管理釣場用のものばかり。
ここ何年もスプーンを買うことは無くなった。

僕の経験ではミノー以上の実力がスプーンには有る。
ただ使い手の技量を問われる世界なので初心者には初心者なりの熟練者には熟練者なりの釣果が返ってくるところが好きだ。

本当に釣師の技量に正直なルアーである。
ウエットフライを使うフライマンならスイングという言葉をご存知かと思う。
そのスイング&ドリフトが僕のスプーン釣りだ。

ミノーはフックを変えると動きが変化しすぎて使い物にならないことがあるが、スプーンは比較的フック交換の影響を受けにくい。瀬の中で必要以上に暴れるスプーンなどはシャンクの長い針にすると扱い易くなったりもする。

もちろん現在でもサクラマスはスプーン絶対主義の方も居るのは存じている。
ところがトラウト意外の釣でまず使われることが無くなってしまったのは悲しいことかもしれない。

僕の戦友であるスプーン達、今では時折シーバスのボイルに向かって飛んでいきます。





海水浴ニジマス
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降海したニジマスがいる川がある。
画像は河口から1キロほど上流の汽水域で釣れたニジマス。
え?って思うかもしれないけど元々鱒達の遠い記憶には海洋生活してた頃の本能があるようだ。
僕は綺麗なニジマスが好きだ。

本来ニジマスは相当なファイターで釣堀の生簀育ちとはまったく異なる。
ダムや海から来る遡上物 これが当時の僕のテーマであった。
だからといって河口堰や魚止めばかり釣っていては先が無い。

シーズン中ほんの一瞬だか川に鱒達が溢れる時期がある。
雨やダムの放水による増水が落ち着いてゆく時が多いのだ。

それは例えば街中や都会を流れるなんの変哲も無い川でも可能性はあるものだ。
東京都心から1時間以内でもそんな場所は存在する。
鱒が下流で釣れるというのは釣人からすれば好都合であるが、川の異常であると考えることも出来る。
ただ哀しい事に造られた鱒達は生産性も無く一代でその遺伝子を絶やす。

本来そこには居ないはずなのにありとあらゆる魚が捨てられて、或は放流されて、釣人に釣られてリリースされて産卵も出来ずに死滅して行く。

最も注意して頂きたいのが養魚者の方々。
稚魚の流失を防ぐことは出来ないのでしょうか?
養魚場の下流には大抵そこで育てられた魚が泳いでいるものである。

良い悪いは別として、僕ら疑似餌釣師からすれば穴場的フィールドを有難うと思います。



テレストリアルな季節のこと

画像は12番のビートルを咥えた沢のヤマメ。
優しい顔つきからして雌かと思う。
e0300080_9382116.jpgこの沢には8年ほど通い詰めた。
最初の数年はルアーで釣り放流もろくに無い川なのに2桁釣れるようになり、みんなに味わってもらいたく数人の仲間に教えた所、場荒れが激しくなってきた。
3年後一年間自主禁漁というのを当時の仲間と取り決めた。

その翌年解禁させたが厳しい決め事をつけた。レギュレーションはこうだ。

■使うのはシングルフックのみ、そして一匹を大事に釣りそれをその日の満足な釣として沢を後にすること。■

僕はこの時期を境にルアーの道具を一旦置いた。
当時左掌の痺れに悩まされていたこともあり右手中心で釣が出来るフライを再び始めた。
実に10年ルアーばかりしていたから凄く新鮮だった。
ドライで釣り上がる沢の釣りに夢中になり季節は初夏~真夏~秋へと移り変わっていった。

とある台風の通過3日後午後4時に出発、通い慣れたいつもの道、ハンドルを握る。
何時もの駐車スペースに車を止めると煙草を咥えながら水色を眺める。
少し水量が多すぎかもしれないなと思いつつ8番のグラスホッパーから始める。
良型?のハヤがお出迎えしてくれてハヤの口も意外と大きいんだなと関心しつつ釣上がる。

ベストな水量よりやや増水したポイントに12番のビートルを流した。
プールのど真ん中までドリフトした所で底の方から影が走った。
そしてゆっくりとこいつはフライを咥えた。
頭を下に向けるのを待ってアワセを入れた。

7.6F 4番の竿は綺麗に弧を描き魚体をゆっくりと寄せネットに収めた。
写真を数枚撮影したのち煙草を呑みながら考えた。

僕は今凄く満足だ。

春になったらまたルアーでサクラ鱒を復帰しよう。

左掌の痺れは少しだけ回復していた。


こんなもので
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今から15年ほど前、渓流のミノーイングのはしりの頃のこと。

渓で出会う渓流釣り師にはこんなことを言われた。
「ヤマメは虫を食べているんだそんな魚みたいなもので釣れる訳がない、今日はキンパクがいいよ。」そういうとクリルの中にいるヤマメを数匹見せてくれた。

「そうですね。釣れないですよね」と答えた。

心の中で 「今日は僕の方が型も数も釣っていますよ」と思ったりもした。
ルアーの世界では尺物は珍しい訳ではない。

それは大物が釣りたいからルアーをしている訳では無いし、数が釣りたいからしている訳でもない。

ましてやヤマメを食べたいとも思わない。
もちろん餌釣りでもテンカラでもリリースする人が居るのは存じているが。

またリリース派なのかキープ派なのかそこは本人さんの「自由」でありどうこう言うつもりはない。
僕的には死んだ魚を見るのはあまり好きではないのでリリースが多い。

疑似餌で釣りをする意味は今でもわからない。
楽しいから?拘っているから?言葉は何も当てはまらない。
「こんなもので釣れるんだ!」という驚きと発見を味わう時この釣りの真髄に微かに触れることに気が付く。

無意識で気の向くまま釣りをしていたら今のスタイルになっていたのである。


梅雨明けの頃
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関東地方で梅雨明けの発表がある頃。

東北の小河川にやっと鮎が遡上を始め海からアメマスを連れてくる。

カラフトマスのフレッシュランと重なるこの頃、僕等の釣りは盛期を迎える。

2月北陸から始まるサクラマス釣りもフィールドを北上させながら7月には此処下北半島に向かう。
この魚は河口から数百メートルのポイントでキャッチした。潮騒の音が聞こえる渓流。

河口の砂浜にはスモルト化したヤマメが遊ぶ。


そしてなぜかアメマスはファイト中にジャンプする。
渓流のイワナにジャンプされるのは少ないというか皆無に等しい。

ダム育ちの個体で瀬に入ったものは飛ぶことがあるが・・

海アメというサーフで釣れる魚のイメージが強いが、僕は強靭なタックルで挑むよりも渓流でヤマメを相手にする様なタックルで繊細に釣るほうが好きだ。

霧がまだ消えない早朝、てアメマスは恐ろしいほどの浅瀬でフィーディングする。
陽が上がると何処かに消えてしまう。

海に戻ってしまうのかテトラに身を潜めているのかはわからない。

何れにせよ降雨が無ければ川はたちまち渇水し枯れた寂しい流れになる。
渇水の中ではこの魚は釣れたことはない。

10~8センチクラスのミノーで小渓流を釣るのは異色であるがまた楽しい釣りである。

小さな成熟
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秋、産卵を控えたアマゴの雄。
とても良い面構えをしているが体長はわずか10数センチしか無い。

鏤められた朱点。
背中まで周ったパーマーク。
尾鰭の紅。
しゃくれた下顎。
盛り上がった背中。
どれを見てもいい魚だった。

確かに本流であれば幼魚のサイズだ。
しかし僕の中で最高のアマゴはこの魚、超小型レッドスポットマスサーモンである。

実に日本的な魚ではないかと思う。

何が言いたいのかと思われるかもしれないが、魚のサイズでは、釣は計れないということを伝えたい。

もちろん今までにアマゴの尺物は何匹も釣ったが、こいつには敵わない。

家電に例えるとアマゴに失礼かもしれないが小さなボディに魅力迫力タップリの日本製ってことです。
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by toyosikigijie | 2012-12-27 09:47
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